夜の散歩

なんだか眠れないので、軽く散歩をしてきた。
と言っても、家のまん前にある小さな公園に、だけど。
 
 

俺が千葉に引っ越してきてから、25年。
この公園は25年以上前から、ここにこうしてある。
25年前は小さな山に掘っ立て小屋が建っていて、
いくつかの遊具があるだけの小さな公園だった。
 

遊具の数は元々そんなに多くなかったけれど、
数年前に、公園の3割り程度が削られて、駐車場になってしまった。
おかげで数少ない遊具は更に少なくなった。
昔と変わらないのは、子供の頃はとても大きく見えた滑り台と、
中央に日時計の付いた砂場だけ。
木でできたボックス型の家(6つ)と、迷路と滑り台が一緒になった遊び場は影も形もない。
 

とりあえず、飲み物を持って滑り台の上に腰を下ろした。
さすがに深夜なので人通りはない。
遠くの方を走る自動車の音と、時折吹く風が木々を揺らす音、それと虫の声が聞こえる。
 

しばらくボーっとした後、ゆっくりと滑り台を滑る。
真夜中にいい歳をした大人が一人、深夜の公園で佇む姿を客観的に想像してみる。
・・・怪しい。きっとこの一言に尽きるんだと思う。
 

新聞配達の人たちが、あわただしく自転車で走り回っている。
通りの向こうの小学校の木々が、またざわめき始めた。
少し遅れて、風がこちらに吹き抜けていく。
と、同時に背後の桜の木々がざわめく。
木々が会話をしているわけはないのに、そういうことを想像してみる。
 
 

家に帰り、パソコンを立ち上げて、これを書いている。
静かな気分に合う音楽を選んで、ヘッドホンで聴く。
そう言えば、空が少し明るくなってきた。
スズメとカラスの鳴き声が聞こえる。
 
 

そろそろ寝ます。
おやすみ。